事業トレンド
1985年以降の
マーケット別
M&A件数推移

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日本企業のM&A市場は、1985年の統計開始以来、リーマンショックや東日本大震災などによる一時的な不況期を除けば一貫して増え続けている状況にあります。1985年の年間約260件から2021年の年間約4300件と、公表されている件数だけでも約35年で16倍以上となっています。
また、1993年から2006年にかけては、大幅に増加しています。これは、バブル経済の崩壊によって引き起こされました。バブル崩壊後政府の規制緩和による恩恵を受けるためや、会社を成長させるためにM&Aを積極的に行ったのです。
そして2011年から2019年にかけても、大幅に増加しています。特に2017年からは3,000件を超えて、2019年には4,088件と過去最高を記録しました。その理由としてはまず東日本大震災からの復興のためにアベノミクスによって景気を向上させたということ、そしてもう1つは後継者難の中小企業が事業承継の手段としてM&Aを用いることが、増えたことにあります。
※引用元:M&Aキャピタルパートナーズ
https://www.ma-cp.com/about-ma/current-situation/
日米比較
エグジット状況

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日本では、米国に比べてエグジット手段に占めるM&Aの割合が低い状況となっています。背景として、日本市場でのIPOのしやすさなどが挙げられますが、そのほかにも、M&Aの実行に際してさまざまな阻害要因があるのではないかと考えられています。
グラフの通り、IPOとM&Aの割合は、米国では約1:9とM&Aが圧倒的に多いのに対し、日本では約7:3とM&Aの割合が低くIPOが中心であることが見て取れます。
財務相の調査ヒアリングによると、M&Aの割合が米国よりも低い理由として以下のような点が挙げられました。
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日本は米国に比べてIPOの敷居が低く、スタートアップがIPOを選択する傾向が強い。
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M&Aにおいて、買い手と売り手で価格交渉が合意に至らないケースが多い。
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M&A後のPMI(Post Merger Integration)がうまくいかない。
※引用元:経済産業省「大企業×スタートアップのM&Aに関する調査報告書」P.14
米国のスタートアップの
歴史とM&Aの推移

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米国のベンチャー企業のEXITは、1980年はほぼ100% IPO(株式公開)だったところ、いまではほぼ100% M&Aになっているということがよく分かります。
これは、Googleなどの古参のベンチャー企業(ベンチャー企業と言ってもサイズは超大企業)が、新しいベンチャー企業を買収しているためと言われています。
日本のスタートアップの生態系(エコシステム)はアメリカに後れを取っているというのが定説で、「タイムマシン経営」という言葉にも表されますが、アメリカで当たっているスタートアップのビジネスモデルをいち早く見つけ、日本で応用する起業家もいて、やはりうまく当てているケースも見られます。
ビジネスモデル同様、スタートアップのEXITに関しても、最近の日本の起業家・スタートアップは、従前のようにIPO志向の人も当然いますが、M&A志向の人が増えてきたように個人的には感じています。
※引用元:柳沢国際税務会計事務所「株式公開などEXITを視野に入れた企業がしたいあなたに」